ネットをめぐる冒険

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GmailがIMAPプロトコルに対応

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先日Gmailのあまりの傑作ぶりに号泣した僕ですが、Gmail関連でまた新しいニュースが入ってきました。長年待たれていたらしいIMAPプロトコルに対応しはじめたようです。日本語版にはまだ反映されていないようですが、そのうち機能追加されることでしょう。

IMAP
インターネットやイントラネット上で、電子メールを保存しているサーバからメールを受信するためのプロトコル。最初のバージョンはRFC 1730として、改良版のIMAP4rev1はRFC 2060として規定されている。POPと違って、メールはサーバ上のメールボックスで管理され、タイトルや発信者を見て受信するかどうかを決めることができる。モバイル環境で特に便利な方式である。

IMAPでは、メールをマシン上にはダウンロードせずメールサーバーに残したまま、サーバー内でメールの読み書きやフォルダ管理をします。IMAPプロトコルに対応したクライアントソフト型メーラーを使って操作を行うと、その操作がそのままGmailにシンクロされることになるというわけなのですが、Gmailを自分の使い慣れたメールソフトで利用できるようになる、と言えば分かりやすいのでしょうか。

ただしものすごく疑問というか釈然としないのは、Gmailを、たとえばThunderbirdのインターフェースで利用してそれほどメリットがあるのかということ。

Gmailの優れた機能として、先日のエントリでは「高度で高速な検索性能」を挙げました。しかしIMAPでThunderbirdを介してGmailの検索を行った場合には、使用される検索エンジンはGmailつまりGoogleの方ではなくThunderbirdの方となります。Googleの極めて優れた検索エンジンを殺してまでThunderbirdのクソ重いエンジンを使うメリットって一体。Gmailのラベル機能も、それはGmailのものであってThunderbirdのものではありませんから、当然Thunderbird上からは使えません。(もし根本的に誤解しているようならお知らせ下さい、まだ試していなくて100%の自信は持てていないので。)

※IMAPでの検索についてコメントにてご指摘いただきました。また、ラベル機能の動作についてもエントリ最後尾に追記しています。

また、IMAPではメールサーバー上にフォルダを作って管理ができるのが1つのウリとなっていますが、そもそもフォルダによる管理を採用していないGmailでフォルダ管理をするメリットもいまいちピンときません。フォルダを作るとGmailにどのように反映されるのかも謎。これはGmailの日本語版が対応したら試してみたいと思います。

個人的にはGmailのインタフェースは並のクライアントソフト型のメーラーよりも上だと思っていますが、IMAPを利用することでインターフェースの使い勝手がさらに良くなるというのなら利用しても良いと思います。しかし重大な機能を殺してまで利用するのはバカげているなあと。

ただし、以上はパソコンでの利用を想定しての場合。モバイルでの利用ならそれなりにメリットがあるのかも。モバイル版のGmailは必要十分な機能を備えてはいますが、そもそも端末のブラウザ性能が貧弱なこともあり使いやすいとは言えない状況です。

iPhoneを初めとするスマートフォンにはIMAP対応のメーラーが搭載されていますので、そうしたもので使えばブラウザ経由で利用するより高速で使い勝手も良いかもしれません。パケットの節約にもなりますしね。また海外端末には既に拡がりつつありますが、今後日本の携帯電話にIMAP対応のメーラーアプリが搭載されるか、サードパーティーからそうしたアプリが登場することも充分考えられます。自分の使っている端末向けに登場したらちょっと試してみようかと思います。

2008.02.03 IMAPでの検索とラベル機能について

1円切手さんにコメントにてご指摘いただいたのですが、IMAPを介して検索を行った場合には、メーラーの検索エンジンではなくGmailのエンジンを使用することになるそうです。Thunderbirdで確認したところ、たしかに検索は速くてThunderbirdのエンジンは使っていないっぽい。しかしGmail独自のクエリーは使用できず、使い勝手には疑問が残ります。

また、Gmailのラベルはメーラーでは「フォルダ」として機能すると確認できました。ラベル名のついたフォルダをクリックすればそのラベルが付けられたメールがリスティングされるし、メールをフォルダの中に移動すれば「ラベルを付ける」という動作になるようで、Gmailにもきちんと反映されていました。ただしメーラーで2つ以上の複数のラベルを付けることは出来ず、こちらも残念。