ネットをめぐる冒険

これだからインターネットはおもしろい。

Gmailが便利すぎて涙がでちゃう

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Gmail

最近メーラーをGmailに全面移行したのですが、今更ながらなのですが便利すぎて、開いた口がふさがりません。現時点で驚くほど高機能ですが、これ以上の進化をすることに疑問の余地を微塵も感じさせない凄さがあります、Googleには。

Apple MailThunderbird、Windows時代を含めればOutlook ExpressやPostPet ver.2などいくつかのクライントソフト型のメーラーを使ってきましたが、Gmailに勝るもの無し。メーラーソフトの使い心地を追求していくと結局はその検索性能の高さに行き着くと思うのですが、Googleの検索エンジンを積んでるGmailが使いやすいのはあたりまえだなと。

GmailはWebアプリケーション。クライアントソフト型に比べるとアーカイブの読み込みやウィンドウの開閉など、一部でレスポンスが劣る部分はあるのですが、強力で高速な検索性能、「ラベル」によるタギング、インターネットさえあればPCからも携帯からもアクセスできる利便性等を考えると取るに足らないことと思えてきます。

と言いつつも一体なにが素晴らしいのかなんだか良く分からなくなってきたので、自分で納得するためにまとめてみる。

バックアップいらずの大容量

2004年4月1日、GoogleがGmailの提供を開始。1GBという、当時としては破格の容量にエイプリルフールの冗談だと感じた人も少なくなかったようです。その後も自身の掲げる"infinity + 1" storage planに従い着々と容量を増やし、すぐに2GBに到達しました。

そして2007年10月12日にはさらなる容量拡充を発表し直後より対応を開始、今日現在で4.3GBに達しています。ITmediaの推測によれば、11月の中旬までには6GBに達する見込み。現在のペースは1日あたり128MBで容量が増えているそうですので、その勢いの凄まじさが分かります。

おそらく今後も徐々に増えていくことに違いありませんから、そうなるともはや面倒なバックアップ作業に気を回す必要は無いと言えるかも知れません。マシンを乗り換えても、メールの移行作業無し。

また、Googleのサーバーがクラッシュする確率は、僕のMacのHDDとそのバックアップHDDの双方がクラッシュする確率より格段に低いということは言うまでもありません。大事なメールがGoogleの極めて高精度のメンテナンスで守られているという安心感は何物にも代え難いですね。

ちなみに、そんなGmailにも過去に極一部のユーザのデータが消失したという事件が起きたことがありましたが、「ユーザのパスワード漏洩が原因」だったとも言われています。結局原因は判明したのでしょうかね?その後こうした事件は知る限りでは起きていませんので、非常に優秀です。

ラベル / 高度で高速な検索性能

ラベルとは、いわゆる「タグ」のこと。カテゴリと異なり、ひとつのメールに対し複数の情報を紐付けることが可能です。これにより、ラベルをクリックすればそのラベルがついたメールのみ抽出するカテゴリ検索的な使い方や、「label:○○ label:□□」というようにして複数のラベルが付いた検索、さらには「label:○○ label:□□ △△」というようにラベル以外のキーワードも含めた複雑な検索を行うことができます。もちろん検索にはGoogleの最強エンジンを使用しますので、極めて高速。

以下に示されている検索クエリ用演算子を使えば、より高度な検索も思いのままです。

詳細検索を行うにはどうすればよいですか。
https://mail.google.com/support/bin/answer.py?answer=7190
Saved Searches

そしてもしFirefoxでGmailを利用するのなら、Bettter Gmailアドオンの使用を迷わずオススメいたします。機会があれば別立てでエントリしてご紹介できればと思いますが、非常に強力なアドオンです。

Better Gmailの機能は数多くありますが、その一つが「Saved Searches」。この機能を有効にするとサイドエリアに右図のようなカラムが現れ、これを使うと「検索クエリを保存」することが出来るようになります。感覚的にはApple MailやiTunesのスマートフォルダに近いですかね。

例えばデフォルトで作成される項目として「TODO」というものがありますが、その中身は

to:me {in:inbox is:unread}

という検索クエリです。この「TODO」をクリックするだけで、受信トレイに入っているかあるいは未読となっている自分宛のメールのリストを動的に表示することができるという仕組み。将来的にGmailに実装されそうな機能ではありますが、一足先に使わせてもらってます。

強力な迷惑メールフィルタ

Gmailユーザは迷惑メールが届いた際に「迷惑メール」ボタンを押し、迷惑メールフォルダに移すとともにGoogleへ情報をフィードバックしています。そのようにしてGoogleは独自のデータベースを作り上げ、それを迷惑メールフィルタとしてユーザに還元しています。

クライアントソフト型のメーラーにも迷惑メールフィルタはありますが、それはユーザーが個々に学習させて自分のマシンの中に育てていくものです。それに対しGmailの方はユーザが一丸となって迷惑メールフィルタを育て上げ、ユーザ全体でそれを共有しているようなものなので、強力でないわけがありません。

最近はプロバイダやホスティングサービス側でも迷惑メールフィルタを構築しているケースが増えつつありますが、ユーザのフィードバックが常に反映されているGmailの方が賢いのは容易に想像ができます。

おかげで迷惑メールが届く頻度は極めて少なく、かなり快適です。

セキュリティ(その1)

「Webメール=セキュリティが心配」と思っている人もいるかと思いますが、それはパスワードが漏洩してしまったときの話でしょうか。インターネット環境と対応ブラウザさえ揃えばどこでも閲覧できるという利便性がWebメールの良いところで、上記の懸念はその利便性を悪用された場合の怖れだと思いますが、実際にはクライアントソフト型のリスクと比べても大差無いか、若干有利のように思えます。

  1. 漏れたパスワードによりメールを悪用されたことが判明した場合
    残念ながら起きてしまったことは仕方ありません。他人のパソコンを借りるなどして早急にパスワードを変更する必要があります。そうすれば(他者によってメールが別途保存されていない限りは)その時点以降に悪用される心配はありません。クライアントソフト型のメーラーでも同様の対処となるでしょうが、もしマシンごと盗まれた場合こちらは過去のメールデータを利用される恐れがありますので、Webメールの方が有利と言えます。
  2. 1.の条件に加え、他人にパスワードまで変更されてしまった場合
    サービスの提供元に連絡してパスワードを早急に変更してもらうかアカウントを停止してもらう必要があります。これはクライアントソフト型においても同様のリスクですので互角。Gmail利用者はGoogleの他のサービスも同一のアカウントで使用していることが多いと思いますので、そうなると他のサービスの情報も悪用され放題。これはもう悪夢。
  3. セキュリティホールによりメールがだだ漏れになってしまった場合
    Webメールにセキュリティホールなどの脆弱性が発見された場合、クロスサイトスクリプティング等で攻撃されメールデータを盗まれる可能性があります。しかしそれはクライアントソフト型でも同様に考えられることです。前者はサービス提供元(GmailならGoogle)が迅速に対応を行ってくれるのに対し、後者はパッチをあてるなど自ら対応しなければならないので手間がかかりますし、セキュリティ関連のニュースを日頃からチェックして目を光らせていなければ対処のしようがありません。この点でもWebメールが有利ですかね。
  4. ウイルスによってメールデータが漏れる?
    可能性として無いとは言えませんが、サービス提供元のサーバーがウイルスに感染する確率よりも、自分のパソコンがウイルスに感染する確率の方が高いでしょう。Googleのサーバーがウイルスに感染しないか心配している余裕があったら、自分のマシンのセキュリティを心配した方が良いと思います。ここでもWebメールの方が有利。

書き漏れや言葉不足や例外もあるかも知れませんが、上記の理由で僕はWebメールを使うことに関してあんまり心配していません。

そもそも、パスワードの管理さえきちんとしていれば良いわけですので。

セキュリティ(その2)

一般的なメールサーバーと一般的なクライアントソフト型メーラーを使ってメールの送受信を行う場合、ユーザとサーバー間の通信の多くは受信に(A)POP、送信にSMTPというプロトコルを使用します。

この場合受信も送信もメール本文部分のパケットが暗号化されませんので、悪意ある第三者に動機と技術さえあれば送受信パケットを解析されてメールの内容を盗み見られてしまいます。実は危険なのですが、個人どころか多くの企業に至っても普通にこの方式が利用され続けているのが現状ではないでしょうか。

これに対しGmailはアクセス先のURLをhttps://www.gmail.com/にしさえすれば、ユーザとサーバー間の送受信パケットを暗号化することが可能です。http:からはじまるURLをhttps:に置き換えるだけ。たったそれだけでデータが暗号化されるのです。

前者の場合で同じような条件を作るとなると、メールサーバーとクライアントソフト共にPOP over SSLSMTP over SSLというプロトコルに対応したものを用意する必要が生じ、いきなり敷居が高くなります。Apple MailやThunderbirdなどクライアントソフト側の対応は進んでいるものの、メールサーバーの方はまだまだ数が限られていると思います。たとえ対応をしていても、オプションで別途料金を取られるケースが多いのではないでしょうか。

SSLを利用することで若干速度は低下するのですが、最近のパソコンとブロード回線を利用していれば体感的にそれほど大きな差を感じることはないと思います。

どこからでもアクセス可能

パソコン・携帯とも対応。インターネットに接続され対応ブラウザさえ入ったパソコンや携帯さえあれば、どこからでもGmailにアクセス可能。外からパソコンでアクセスする機会は旅行に出掛けた場合などを除きあまり思い浮かびませんが、携帯からはかなり頻繁にアクセスしてます。

携帯でメールの流れを追えるだけでも助かりますし「連絡先」にアクセスできるのも便利。パソコンほど閲覧性は高くありませんが、もちろん携帯からも検索をかけられるという点で重宝してます。

ちなみに携帯からメールを見た場合、連絡先に電話番号が登録してあると画面上に「電話をかける」リンクが表示され、それをクリックすることで相手に電話がかけられます。こうした携帯ならではの機能もちゃっかり搭載されていて見事ですね。

外部のパソコンからアクセスした際は終了時にきちんとログアウトするほか、ブラウザにアカウント情報を保存しないなどの注意が必要です。しかしもっとも気をつけなければならないのは「携帯電話を落とす」ことかなと。セキュリティ(その1)にも通ずる話ですが、携帯のブラウザにログイン情報のクッキーでも残っていたら一大事。そういうわけで、面倒ではありますが僕は携帯のオートロック機能をオンにしています。

無償で提供

これだけの機能を搭載していながら、無償で利用可能。「おそるべし」とにもかくにもこの言葉に尽きますねえ。