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October 5, 2008

あの“fring”がついにiPhoneにやってきた

Jail BrokenなiPhoneユーザーの間ではかなり以前から評価の高いアプリだった“fring”が、ついにApp Storeに登場。これでiPhone上で正式にSkypeが使えるようになりました。これはヤバい。fringスタッフのテンションが異様に高いのも分からなくもない。ひゃっほーい。

fringはiPhoneおよびiPod touchのWi-Fi機能を利用して、他のfringユーザーやサポートする他のサービスのユーザーとのVoIP通話(音声通話)やチャットが楽しめるアプリケーションです。

Wi-Fi環境下に制限はされますがfring, Skype, MSN Messenger, Google Talk, ICQ, SIP (GizmoVonage)のユーザーとのVoIP通話が可能なほか、チャットのみであれば前者に加えてさらにTwitter, Yahoo! Messenger, AIMユーザーとのコミュニケーションが可能。また、3Gネットワーク環境下でもチャットは機能します。

実際に試してみたのですが、fringを起動した状態であればオンライン状態が保持されて、iPhoneがスリープ時にも着信が可能のようです。電池の消費量がいかほどか... はまだお試し中なのでわかりませんが、スリープならそんなに食われないだろうと予想。もっとも、いずれAppleがiPhoneのPush Notification Serviceを開始すればfringも対応してくるはずですので、そうなればアプリが起動していなくても受信可能になるし電池寿命も気にしなくて良くなると思います。

iPhoneで手軽にVoIP通話。

こういった類のマルチIMクライアントは実はPalringo Instant Messengerをはじめ既にいくつか登場していましたが、fringのようにVoIP通話までサポートしたものは多分なかった。しかもSkypeとかMSN Messengerとか主要なサービスをサポートしてくれているのがミソ。ミソなんて久々に言ったぜ、はずかしい。

fringの使い方は他の多くのiPhoneアプリがそうであるように、非常に簡単です。初回起動時にまずfringのユーザー登録を行い、その後各サービスのアカウントを設定すれば、あとはfringの起動と同時にオンライン状態になり、Buddy Listに各サービスで自分が登録した全てのユーザーが一覧で表示される仕組み。コミュニケーションを始めるには、Buddy Listの中から任意のユーザーを選択し“Call”と“Chat”のいずれかのアイコンをタップするのみです。他のユーザーから着信を受けた際、VoIP通話の場合には黒電話風のけっこうアグレッシブな感じのサウンドが鳴りかなりびっくりします。チャットの場合には「ティカティカティカ」と甲高い通知音が鳴りますが、こちらはけっこうかわいい。

またBuddy Listではアイコンの色で〈オンライン〉〈オフライン〉〈退席中〉〈ビジー〉といったユーザーごとのステータスが確認できます。fringを起動した際の自分のステータスは常にオンラインとなり変更は出来ない模様。また、デフォルトでは自分のムードメッセージが右図の様に“On mobile by www.fring.com”と表示されますが、こちらはオフにすることが可能でした。ただ、チャットの場合iPhoneでの入力はパソコンに比べると遅くなるので、相手に現在自分がfringでログオンしていてレスポンスが遅くなる旨を知ってもらうためにも、この機能はオンのままで良い気がします。

残念ながら音声の品質は期待するほどは良くなくてちょっとこもってしまうのと若干のディレイが生じるのが玉に瑕。でもfring上で行うVoIP通話は全世界、時間帯、かけた時間に関わらず常に無料。都心では公共のWi-Fiスポットもかなり増えてきたので、街中で手軽にSkypeの通話を行ったりもわりと普通になるかも。

※Skype Outなど、相手先番号を入力してかけるVoIP通話は有料です。無料になるのはfring, Skype, MSN Messenger, Google Talk, ICQ, SIPの各ユーザー間となりますのでお間違えなく。

Skype OutをiPhoneで。

また、Skypeの機能であるSkype Outもfring上から利用可能です。あらかじめSkypeクレジットをチャージしておけば、全世界の固定電話や携帯電話にも格安の料金で発信可能。発信ごとに4.9円の接続料に加え、国内なら固定電話への発信がわずか2.660円/分、携帯電話へは17.500円/分の通話料でかけられる。国際電話をよく使うような人には圧倒的にお得なはず。

もちろん自宅にIP電話を引いているとかSoftBankのホワイトプランを使っているなどでSkype Outより安くなる条件やタイミングは多々ありますので、それを補完するものとして考えれば良いと思う。たとえばiPhoneからSoftBank以外のキャリアにかける場合にはSkype Outにする、など。

fringでのSkype Outの方法は、Skypeでのやり方と同様にまずかけたい相手先の国番号(日本なら+81)を付けて、続いて相手先番号の先頭の0を除いた数字をタップする。相手先番号が 090-XXXX-#### なら、+8190XXXX#### として、後は画面上にあるSkype Outのボタンをタップするだけです。

また、iPhoneの「連絡先」アプリに登録してあるコンタクトもBuddy Listに表示されるようになっていて、ここからSkype Outする番号を選択することも可能。登録してある番号をタップすると「この番号にかけていいのかい?」って具合に番号入力済みのダイアログボックスが表示されるので、Skype Outの形式に書き直してからOKボタンをタップする。まあこれは正直面倒なので、あらかじめfringにデフォルトの国番号を設定しておけるようにするなど改善をお願いしたいところです。あとBuddy Listは微妙にローカライズされておらず姓名が逆、しかも漢字順に並ぶのでスクロールで目的のコンタクトを探すのは至難の業。これもアップデートに期待。

ちなみに、Skype Outで電話をかけると相手先には「非通知」で着信します。これはfringではなくてSkypeの仕様で、それを避けるにはSkype側で発信者認識番号というのを設定する必要があります。発信者認識番号には携帯電話の番号とSkype Inと呼ばれるオンライン番号のどちらかを指定可能ですが、前者の携帯電話にはなぜかケータイ鎖国&ガラパゴスケータイ大国の我らが日本は含まれていません...。なので必然的にオンライン番号を取得する必要があるのですが、こちらは月額費用がかかる。ファック。fring側でiPhoneの番号を通知させるなどの設定ができれば最高なんですけどね。

なんか改善が必要な点がけっこう目についてしまいましたが、音声通話をよく使うという人にとっては現時点でもまさにキラーアプリでしょう。僕自身はここまで書いておいてアレなのですが、SkypeやIMが苦手だったりするのでヘビーユースはしないと思いますが、それでも電話代が節約できるのはホントうれしい。自宅の固定電話の存在意義がどんどん薄れていく今日この頃。


COMMENTS

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  • takahiro commented at October 5, 2008 5:29 PM

    こんにちは。
    fring今日DLしました!
    素晴らしいですね。前からこれを使いたいがために脱獄を考えていたのですが、おかげで相変わらず檻の中ですw

    記事は大変ためになりました。また読ませて頂きます。

  • yu-ji commented at October 23, 2008 10:40 PM

    はじめまして。blog読ませていただきました。iphoneでskype使っているんですけどOn mobile by www.fring.comの表示のオフのやり方を教えていただけないでしょうか?お時間のある時で結構なのでよろしくおねがいします。

  • onopkoAuthor Profile Page commented at November 10, 2008 3:10 PM

    >yu-jiさん
    ご返信がものすごく遅れてしまいすみません。。fringの [More] メニューから [Privacy setting] に入ると、”fring mood message” という項目があると思います。これをオフにするとご希望の表示オフが可能ですよ。

  • yu-ji commented at November 11, 2008 8:34 PM

    返信ありがとうございます!無事で来ました。またblogの方読ませていただきます!


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ONO TAKEHIKO a.k.a. onopko

東京のウェブ制作 aguije(アグイジェ)を拠点に活動しているウェブデザイナーです。ディレクション・デザイン・コーディング・Ajax・Flashオーサリングをはじめ、まだまだ未熟ながらワンストップなクリエイターになるべく精進中です。凝り性。



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