気まま視聴覚室

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ディパーテッド

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ディパーテッド

レオナルド・ディカプリオ×マッド・デイモン×ジャック・ニコルソン競演、監督に最近ディカプリオとの仕事が多いマーティン・スコセッシを迎え、さらに制作にブラッド・ピット。よくもまあこれだけハリウッドな巡り合わせがあったものだ。

ディカプリオとデイモンをどうスコセッシ監督が調理するかが楽しみだったのですが、この役柄を演じるには2人ともちょっとまだ若いのかなという違和感を覚えました。そもそもキャラクターの年齢設定にムリがあったとしたら2人は悪くないのですが、キャスティングが優先されたか設定が優先されたかは気になるところ。おそらくは前者で、だとしたら残念に思うのですが。

2人とも期待される演技はしていたと思いますが、期待以上のことはしなかったという印象。しかしそれでも152分という長めの尺を感じさせない仕上がりとなったのは、脇をこれでもかと固めるジャック・ニコルソンのおかげに他ならないのかな。へへ。

なんつーかやっぱりジャック・ニコルソンなんですよね、この映画は。バイオレンス×アートなスコセッシ監督の作風にもすんなり溶け込んできて、期待以上に作り上げていってくれる。ギャングという役柄設定もあり、しばしば鬼気迫る表情での演技が見られるのですが、シャイニングを彷彿とさせる凄みに、ちんこも震え上がるってなもんです。怖ぇって。気がつけば、ハラハラとさせられたシーンはみんな彼に持っていかれてますな。

デ・ニーロ×スコセッシのケープ・フィアーにならって、ジャック・ニコルソン×スコセッシで何か撮ってもらえたら嬉しい限りです。

ちなみにオリジナルのインファナル・アフェアをまだ観ていなかったので、DVDを注文しておいた。ディパーテッドよりもスタイリッシュな感じなのかね。

2007.2.10 追記 インファナル・アフェア

DVDが到着したのでやっとこさオリジナルの「インファナル・アフェア」を観ました。オリジナルの方が世界観が断然魅力的ですね。個人的に、ディパーテッドはジャック・ニコルソンの映画という印象でしたが、こちらは作品としての一体感を感じました。

主人公である潜入捜査官と、彼を敵元へ送り込んだ張本人である警視の関係が、より親密に描かれているだけに、主人公の葛藤がよく伝わってきます。またラストシーンもディパーテッドとは異なっていますが、やはりインファナル・アフェアの方が好きですね。

上記でディカプリオ&デイモンは役柄として少し若すぎるのではと書いたのですが、インファナル・アフェアの方の設定では2人とも28歳。それにしてはトニー・レオンもアンディ・ラウも渋すぎて、もしかしたらこっちのほうが年食い過ぎだったのかも。まあ細かい設定はいいとして、2人ともかっこいいのです。