おいしいくらし

「お。」とトクした気分。

プライスコレクション 若冲と江戸絵画展

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プライスコレクション 若冲と江戸絵画展

上野の東京国立博物館で開催、「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」。ひさびさに美術館に足を運んでみました。

美術館の門を抜けていきなり声をかけられ振り向いてみれば、カッツーゾ親子。こういうところで予期せぬ人に会うとふつうに驚くね。年甲斐もなく内心あたふた。そういやまともに挨拶もしてなかったね、へへ。

さてさて。行く前から予想はしていたもののそれを遙かに上回る混雑ぶりに、入館するや否や疲れ気味。行った後で気づいたのですが、今日は最終日だったのね。どおりでどおりで。美術館では1作品ごとに納得するまで観るポリシーなので、作品によって観る時間が長かったり少なかったりするのですが、今回はひたすら牛歩戦術並みのスローペース。まわりの人だかりは邪魔でしかありませんでしたが、お互いさま。おかげでじっくり見ることはできまして、まあまあ満足です。どの作品も「引き」で観ることは出来ませんでしたが...。

伊藤若冲の作品をメインに展示された“III. The Eccentrics”セクションの混み具合は特にすさまじく、中でも若冲の「鳥獣花木図屏風」(右隻左隻)の人だかりはうんざりするほど。六曲一双の幅7〜8mの作品ですが、右端から左端まで観るのに30分ほどはかかったかな。それだけ惹きつけられる作品であることは言うまでもなく、人並みな僕は例に漏れず度肝抜かれました。18世紀の日本で日本人によって描かれた作品とは思えず、ため息が出るばかり。ただの好みなのですが、若冲、ぶっちぎりにカッコいいです。ああいう普遍的な美しさを創り出せる力が自分にもあったらなぁと常々思っているのですが、またいいインスピレーションをいただきました。300ページ弱にわたるパンフレットもたまらず購入です。

お気に入りは「鳥獣花木図屏風」以外に同じく若冲の「紫陽花双鷄図」、長沢芦雪「牡丹孔雀図屏風」「白象黒牛図屏風」。んー、極彩色ものに弱いね。

プライス氏曰く「日本美術を鑑賞する際、光の果たす役割は非常に重要である。」