Movable Type 4.0登場でCGMサイトのローンチが加速しそうな匂い
サイト構築にうまく使えばそこらへんの安っぽいCMSなどよりよっぽど役に立つMovable Type。一方、もともと他機能な上プラグインの数が山ほどあるおかげでテンプレート制作はウンザリするほど頭を悩まされるMobable Type。それがさらに強力な機能をひっさげてメジャー・バージョンアップすることになりました。おにいさん頭痛い。
目玉機能はどれだと言われても手短に応えるのが困難なほど、新機能が目白押しとなっています。以下他のサイトで述べられていることをまとめてみました。未確認のものがほとんどですので、誤りあればご指摘ください。
管理画面をAjaxベースのデザイン・レイアウトに刷新するとともに機能強化
- プルダウンメニュー・タブ・スライダー・フィルタなど、Ajaxでおなじみのインターフェースを随所に採用。
- エントリー投稿画面にWYSIWYGエディタ搭載。例えばアップロードした画像をソースコードではなく実際に表示しながら編集可能となったりと、HTMLの知識が無くとも文章と画像の簡単なレイアウトが行えるようになった。
- エントリーの自動保存機能を追加。
- Ajaxベースのファイル管理システムを追加。画像などのファイルのアップロードがブラウザ上で簡単に行え、後から一覧を参照したりファイルを削除することが可能に。
- テンプレートは従来のページ単位からモジュール単位での編集へ。モジュールの自動認識機能も備わる。
- コメントの返信を管理画面上で行える。
CMSツールとしての機能を大幅に強化
- ブログ以外の静的ページ(テンプレートに依存しない自由なデザイン・レイアウトのページ)を作成、Movable Type上で管理可能に。WYSIWYGエディタやMTタグも利用できる。
- 複数のブログ記事をまとめたポータルページの構築を可能にするアグリゲーション機能。従来のバージョンでもプラグインで実現可能だったが、正式サポートでより簡単に構築可能となった。
- エントリーとして投稿した画像やファイルを含む、完全バックアップ機能。従来のバージョンではエントリーのソースコードのみがバックアップ対象で、自分でアップロードした画像等はダウンロードするなどして別途バックアップをとる必要があったが、MTのみで完結するようになった。
- ブログのクローン作成機能。
- 各ウェブサービスのID・パスワードの共通化を推進するOpen IDに対応。まだまだ海外サービスが中心なものの、WordPress・Choix・Ma.gnolia.com・LiveJournal・Technorati(対応予定)など参加を表明している各サイト間で利用できる単一のID・パスワードが、MTでも利用可能となる。
- アカウントによるログインを前提としたサイト構築も可能。
- 特定のコメント投稿者へブログへのエントリ投稿権限をもったアカウントを発行可能に。
- ブログ投稿者のプロフィール紹介ページ、記事へのレーティング機能、人気記事のランキング機能などをパック化した「コミュニティ・パック」の有償提供。
その他
- 今秋にはオープンソース化。
- より分かりやすくなったインストールウィザード。
さっそく触ってみた
はい。というわけで、ものすごいです。ブログ形式でない通常のページもみんなまとめてMovable Type(以下MT)で管理できるようになり、流行のユーザー・コミュニティ機能もMTで実現できるようになります。独自のCMSをウリにしている業者さんなんかは、オープンソース化は脅威じゃないでしょうか。
CMSツールとしてのデファクト・スタンダード化を狙った非常に戦略的な攻勢をしかけてきました。現在でもMTをCMSにして構築されているサイトは増えてきていますが、MT4.0の登場により加速する匂いがプンプンします。勉強しているお客さんだときちんとトレンドを抑えていて、制作者側に要求されるものも高度になってきていますから、正直「分からねぇ」とか言って逃げてはいられない状況。システム屋さんに頼っていた部分をデザイナーの方でも請け負えるようになるという点では提案の幅が拡がって嬉しいかぎりなのですが、正直覚えるべきことが多すぎてこれは本当に頭が痛い。こういうものは実際に自分で触ってみないとなかなか習得できるものでないですが、少なくとも何が出来るかは分かっておかないとマズいでしょうね。
で、パブリック・ベータがすでに提供されているので実際インストールしてみたのですが、どうもよろしくない。
まずRightFieldsがMT4.0に対応していないため拡張フィールドが管理画面上から消えるというトラブル発生。管理画面が刷新されたのでこれは当然なのですがちと困った。phpMyAdminなどでデータベースを直接編集して更新かけることもできそうですが、運用上ちょっと面倒というより本末転倒な感じ。
そしてさらに厄介、というか使い物にならないのはページの構築でコケること。インデックスページとアーカイブページはOKなのですが、個別エントリーページの生成になると新規作成も編集も下記のエラーでストップしてしまう。こういうレベルになってしまうと僕では残念ながらお手上げなんですよね...。RightFieldsの拡張テーブルが原因かしら。。
Can't use an undefined value as an ARRAY reference at
〜 mt/extlib/Data/ObjectDriver/BaseObject.pm line 266.
そういうわけで更新が行えないのでとりあえずインターフェースのみ触ってみたのですが、管理画面は確かに使いやすくなった。スクリーンショットをあまり取らなかったので何とも具体性に欠けてしまい申し訳ないのですが、アーキテクチャを一新したとのことでサクサク動くし、WYSIWYGエディタはお客さんが喜ぶだろうな。アーカイブの一覧も見やすい。従来のバージョンとは全く別物の仕上がりですが、良くできているので取っつきにくいこともないでしょう。
実際に使ってみた感想を書くつもりだったのですが動かないのでは仕方ない。現在はバージョン3.35に戻しております。正式版で動かなかったらかなり骨折りなことになるのですが、考えるのもイヤ。
2006.6.7 23:29 再構築エラーの原因判明
性懲りもなく再度MT4.0をインストールして再構築エラーの原因を探ってみました。昨日は再構築ダイアログボックスに表示されるエラーメッセージしか見ていなかったのですが、MTにはちゃんとログが残ることを思い出した。ログを参照すると、
RightFields died with: Can't use an undefined value as an ARRAY reference at
〜 mt/extlib/Data/ObjectDriver/BaseObject.pm line 266.
というわけで原因はRightFieldsにあることが判明。このブログではRightFieldsの拡張フィールドに入力したデータを、MySQLにmt_RFという専用のテーブルを作って格納しています。MT4.0で再構築を行った場合、MT4.0 - RightFields - MySQL間の読み書きでコケてしまう模様。
RightFieldsにはデータの格納方法にオプションがあり、前述のようにデータベースに専用テーブルを設けるやり方とMT標準のmt_plugindata内に納めるやり方があるのですが、ためしに後者のやり方を採ってみたところ再構築に成功しました。ただし後者ではデータがバイナリ保存されるためphpMyAdminでは直接編集が行えず、もちろんMTの管理画面上にも拡張フィールドが現れないため、データの追加も削除も編集も行えないというニッチモサッチモ状況に陥ります。
というわけでRightsFieldsを使っているブログでは、RightFieldsが対応するまでMT4.0へのアップグレードは控えた方が良さそうです。
COMMENTS
ADD YOUR COMMENT初めまして。いつも興味深く拝見させて頂いてます。
自分も仕事でよくMTを扱うのですが、ほんとに頭が痛いです…。
4.0はまだ触れてないのですがRightFieldsが使えないのは正直ツラいですね…。気になっていた点だったので助かりました。参考にさせて頂きます。
>kuroさん
どうも初めまして。RightFieldsが便利すぎて頼らざるを得ないのですが、Pluginに依存してしまうとフットワーク重くなりますね…。動かないことをいいことに現実逃避中。