続・Fireworks CS3がATSServerの暴走を誘発
Fireworks CS3でテキスト入力を行っているとATSServerが暴走してMacが悲鳴をあげるというエントリーを書いてひととおり騒ぎ、一応の回避策を見い出してはいたのですが、使用方法が制限されるのはいかがなものかと思い追調査しました。...結果、いちばん怪しきはFireworks CS3では無かったかも知れない。
詳しい症状については前回のエントリーを参照していただければと思いますが、ATSServerの暴走を防ぐ方法として、Fireworks CS3でテキスト入力を行う際に
- フォントにアンチエイリアスを利用したい場合はアンチエイリアス処理に「システムのアンチエイリアス」を使用する。
- 12ポイント未満の文字を使用しない。
- 小さな文字サイズで長い文章を入力する必要がある場合には、まずアンチエイリアス処理無しの設定で入力し、入力後に処理をかけるようにする。
すれば大丈夫。と書きました。
しかし症状が治まることもあればそうでない場合も引き続き発生して、特に15MBを超えるぐらいの重いファイルを開こうとするとファイルを開いた瞬間にFireworks CS3が落ちるという致命的な現象まで起こっていました。正直、いつ何時泣き始めるか分からない赤子のようなATSServerの振る舞いに辟易し始めていたのですが、ここでひとつ思いたった。
Fireworks CS3が何らかの処理でATSServerの暴走をキックしているのは間違いないのですが、そもそもATSServerとはフォントのレンダリングを担当するコア・プロセス。Fireworksの処理がどうこうという話よりも、もしかしてフォントファイル自体に問題があるんじゃないかという気がしてきた。
CS3インストール前までは特に不都合無く使えていたわけなので、おそらく今まで使っていたフォントファイルには問題ないのだろう。最近自分でインストールしたものは無いので、とすればCS3のインストーラによって勝手にインストールされたフォントファイルがあるかも知れない。
というわけでライブラリフォント（/Library/Fonts），システムライブラリフォント（/System/Library/Fonts），ユーザライブラリフォント（/User/<ユーザ名>/Library/Fonts）の3箇所をチェックしてみたところ、一番目に挙げたライブラリ以下に、CS3をインストールした日のタイムスタンプで大量にフォントファイルがインストールされていることを発見。
既存システムにインストールされていたフォントと同じものが含まれていたので、まずはそれらを削除。そして前回のエントリーでも言及した、ATSServerのキャッシュ（/Library/Caches/com.apple.ATS）を削除してシステムの再起動をかけてみました。しかし症状が回復しなかったため、思い切って新しくインストールされた下記のフォントを別フォルダに保存して、システムからアンインストール。
/Library/Fonts 以下にCS3によってインストールされたファイル一覧
※一覧取得前にそれまでの環境にインストールされていたものと重複するフォントを削除したため、実際にはもっと多いはずです。
ACaslonPro-Bold.otf
ACaslonPro-BoldItalic.otf
ACaslonPro-Italic.otf
ACaslonPro-Regular.otf
ACaslonPro-Semibold.otf
ACaslonPro-SemiboldItalic.otf
AGaramondPro-Bold.otf
AGaramondPro-BoldItalic.otf
AGaramondPro-Italic.otf
AGaramondPro-Regular.otf
ArnoPro-Bold.otf
ArnoPro-BoldCaption.otf
ArnoPro-BoldDisplay.otf
ArnoPro-BoldItalic.otf
ArnoPro-BoldItalicCaption.otf
ArnoPro-BoldItalicDisplay.otf
ArnoPro-BoldItalicSmText.otf
ArnoPro-BoldItalicSubhead.otf
ArnoPro-BoldSmText.otf
ArnoPro-BoldSubhead.otf
ArnoPro-Caption.otf
ArnoPro-Display.otf
ArnoPro-Italic.otf
ArnoPro-ItalicCaption.otf
ArnoPro-ItalicDisplay.otf
ArnoPro-ItalicSmText.otf
ArnoPro-ItalicSubhead.otf
ArnoPro-LightDisplay.otf
ArnoPro-LightItalicDisplay.otf
ArnoPro-Regular.otf
ArnoPro-Smbd.otf
ArnoPro-SmbdCaption.otf
ArnoPro-SmbdDisplay.otf
ArnoPro-SmbdItalic.otf
ArnoPro-SmbdItalicCaption.otf
ArnoPro-SmbdItalicDisplay.otf
ArnoPro-SmbdItalicSmText.otf
ArnoPro-SmbdItalicSubhead.otf
ArnoPro-SmbdSmText.otf
ArnoPro-SmbdSubhead.otf
ArnoPro-SmText.otf
ArnoPro-Subhead.otf
BellGothicStd-Black.otf
BellGothicStd-Bold.otf
BickhamScriptPro-Bold.otf
BickhamScriptPro-Regular.otf
BickhamScriptPro-Semibold.otf
BirchStd.otf
BlackoakStd.otf
BrushScriptStd.otf
ChaparralPro-Bold.otf
ChaparralPro-BoldIt.otf
ChaparralPro-Italic.otf
ChaparralPro-Regular.otf
CharlemagneStd-Bold.otf
CooperBlackStd-Italic.otf
CooperBlackStd.otf
EccentricStd.otf
GaramondPremrPro-It.otf
GaramondPremrPro-Smbd.otf
GaramondPremrPro-SmbdIt.otf
GaramondPremrPro.otf
GiddyupStd.otf
HoboStd.otf
KozGoPro-Bold.otf
KozGoPro-ExtraLight.otf
KozGoPro-Heavy.otf
KozGoPro-Light.otf
KozGoPro-Medium.otf
KozGoPro-Regular.otf
KozMinPro-Bold.otf
KozMinPro-ExtraLight.otf
KozMinPro-Heavy.otf
KozMinPro-Light.otf
KozMinPro-Medium.otf
KozMinPro-Regular.otf
LetterGothicStd-Bold.otf
LetterGothicStd-BoldSlanted.otf
LetterGothicStd-Slanted.otf
LetterGothicStd.otf
LithosPro-Black.otf
LithosPro-Regular.otf
MesquiteStd.otf
MinionPro-Bold.otf
MinionPro-BoldCn.otf
MinionPro-BoldCnIt.otf
MinionPro-BoldIt.otf
MinionPro-It.otf
MinionPro-Medium.otf
MinionPro-MediumIt.otf
MinionPro-Regular.otf
MinionPro-Semibold.otf
MinionPro-SemiboldIt.otf
NuevaStd-BoldCond.otf
NuevaStd-BoldCondItalic.otf
NuevaStd-Cond.otf
NuevaStd-CondItalic.otf
OCRAStd.otf
OratorStd-Slanted.otf
OratorStd.otf
PoplarStd.otf
PrestigeEliteStd-Bd.otf
RosewoodStd-Regular.otf
StencilStd.otf
TektonPro-Bold.otf
TektonPro-BoldCond.otf
TektonPro-BoldExt.otf
TektonPro-BoldObl.otf
TrajanPro-Bold.otf
TrajanPro-Regular.otf
その後あらためてATSServerキャッシュの削除をして様子を伺ってみたところ、ビンゴでした。Fireworks CS3のテキスト入力のレスポンスは見違えるほど向上し、面倒な操作上の注意を行わずとも快適に動作するようになりました。重いファイルを開くのにかかる時間もかなり短縮され嬉しい限り。
つまりは、上記に挙げたいずれかの（または複数の）フォントファイル+Fireworks CS3の利用下でATSServerが暴走する模様。どのフォントファイルに原因があるかは何しろファイル数が多くて調べる気にはなれません。。ざっと見たところデザイン的に代替可能なものが多く、利用頻度が高くなるとは思えないフォントも含まれているため、困ることは無さそうだ。
ただしやはり釈然としないのは、フォントファイル・Fireworks CS3・ATSServerのどこに本当の原因があるかはっきりしないところ。フォントファイルがいちばん怪しいなとは思うのですが、この症状が起こるのはFireworks CS3利用時のみでPhotoshop CS3などでは起こらないため断言は出来ません。。まあATSServerはこの場合被害者なんだろな。
Macでこんなトラブルに見舞われたのって初めてかも知れない。
COMMENTS
ADD YOUR COMMENT初めましてコメントさせていただきます。
ブログ記事大変参考にさせてもらってます。
以前Fireworks 8にて
フリーのOpenTypeフォントをインストールして数日後（数日は使用できたのです）FWプロパティパネルよりフォントを選んでいる際FWだけでなく他のアプリも次々に終了しログアウトしてしまうといった現象がありました。
フォント削除で問題は解消しましたためそのまま放置です。
FW CS3でも同じようなことがあるのですね。
＞keiさん
はじめまして。記事を参考にしていただいたとのこと、ありがとうございます。Fireworksとフォントの問題って検索してもなかなかヒットしないんですよね。。条件も問題もかなりマニアックではあるのですが、とりあえず他にもそういう経験をしたことがある人がいてある意味安心です。僕の場合は状況的にAdobe純正のフォントに問題があったように思え、なんだかなあと。Fireworksは良いソフトなんですけどねえ。
初めまして。
自分の場合は、体験版ですが、
全く同じ症状です。アップデートを適用して、フォントキャッシュを捨てるだけでは再発してしまいました。
記事を参考にいろいろ試してみようと思います。
初めまして。
MacBook Pro+CS3ですが、私も全く同じ症状で大変困っております。
現在、折角のCS3ですがRossetaを使って開きますと、そのような症状は起きておりませんのでそのまま使用しております。
早くメーカー側で解決していただけると助かるのですが。
＞ふーぐーさん aoikamiさん
どうも初めまして。検索してひっかかるリソースがあまりに少ないので、かなりマニアックな不具合なのだと思っていましたが、同じ問題を抱えている方もそれなりにいらっしゃるのですね。僕の環境では上記の対応で解消したのですが、お二人はいかがでしょうか…。ちなみに昨日Fireworks CS3を起動したところ自動でアップデートがかかったのですが、この問題への対応をしてくれていると良いですね。アドビへフィードバックしようかと思います。
はじめまして。まったく同様のトラブルで困っていました。こちらのエントリーを参考に、試してみたところ、見事、解消いたしました。感謝、感謝であります。素晴らしい記事をありがとうございますm( _ _ )m
＞クジライさん
どうも、はじめまして。同じ方法で解消した点を踏まえると、やはりフォントファイルが原因のようですね。お役立ていただけて嬉しいです！