おいしいくらし

「お。」とトクした気分。

TOKYOBIKE SPORT 9s OSHMAN'S Limited Edition

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eneloop bikeが欲しいなんて書きましたが、まぁあれは価格的にドリームなので半分冗談で。新車物色のため新宿FlagsのOSHMAN'Sに行ったのですが、ひとめ惚れしてしまい即購入しました。

TOKYOBIKE SPORT 9s OSHMAN'S Limited Editionのマット チャコール×ブルーです。エロいよ。

3年ほど昔に買ってこれまで乗っていたGIANT ESCAPE R3(2006年モデル)が一度もメンテに出すことなく我ながら酷い扱いをしてきたせいでブレーキもギアもタイヤもここかしこが経年劣化でひどい状況になっていたのですが、気持ち良く晴れた休日にふと思い立って「おーし、鎌倉まで自転車で行くぜ」と意気揚々とペダルを踏みこんでから数分後、ブレーキが笑っちゃうほど効かない事実に気づきました。さすがに不味いと思って急いで近所のサイクルショップに駆け込んだところ、休日なのに店員が2人しかいなくて店内は客が10人ほど溢れているという状況。

とりあえず待ってくれと言われ20分ほど立たさられたまま放置されて、一向に対応が回ってきそうに無い雰囲気に他の客も同様にイライラし始めているというのに、店員は脳ミソお花畑みたいなおっとりした対応で僕が入店したときに対応していた客と相変わらず話し込んでいる始末。最高にイラついてる中だいぶ前にブレーキシューのみ自宅に買い置きしておいたことを思い出し、自分の周到ぶりにニヤニヤしながらすぐさまそのファッキンショップを出て自宅に戻り作業をしたところあら不思議、常にブレーキのかかっている自転車の完成(泣)。。

他にメンテナンスしたいところもあるので癪だけどショップに戻ってフルオーバーホールに出そうかとも考えたのですが、価格表で調べたところ部品代を除いても少なくとも30,000円はかかることがわかり、もともと4万近くで購入した自転車にそこまでの費用をかけて直すほどじゃないなと思いあきらめた。

というわけで新車購入のため今週末にいろいろと物色しようと思って前から気になっていたTOKYOBIKEの公式サイトをはじめネットでいろいろ調べてみると、一番欲しいと思ったSPORT 9sモデルにOSHMAN'S Limited Editionがあることが発覚。ではとりあえず新宿FlagsのOSHMAN'Sへ行ってそこでピンと来なければTOKYOBIKEにこだわらずY'sRoadで探せばお気に入りの一台が見つかるだろう。そんなふうに高をくくってOSHMAN'Sへ出かけたのが16日土曜日の昼前。

Limited Editionだしそろそろ2010年モデルが出るだろうから置いていないかもなぁと不安を抱えつつ売り場に行ってみると、モデルの違い・フレーム色の違いでLimitedと通常版合わせて10台ほどのTOKYOBIKEがディスプレイされていました。その中にあったマット チャコール×ブルーにカラーリングされたSPORT 9sに心奪われ、もうこれでいいかなと半分決心をしつつまぁ店の意見も聞いてみようと近くにいた店員を捕まえました。

するとその店員さんが結構お上手で松坂みたいな風貌をしてるくせに「TOKYOBIKE SPORT 9sです、Limited Editionです、ラス1ですが何か問題でも」と “おぎやはぎ” 的アプローチ(まぁ実際にそう言ったわけじゃないですが)をしかけてくるものだから、僕はあえなく撃沈。フレームサイズ・カラーリングとも好みのものがその場にあった上、納車が3時間半後とおそろしく早かったのですぐに購入手続きをしてしまいました。本体63,000円にライト・キックスタンド・サイクルメーター込みで73,000円ほど。後悔はしてない。

マット チャコール×ブルーの官能

街乗り用の自転車は街に溶け込むよう派手じゃない方が良いけど、どこか地味でも光る個性は欲しいと思っていたのでこのマット チャコール×ブルーのカラーリングには満足しています。マットと言うだけあってフレームは光を吸い込むかのようなさらりと渋みのある光沢で、ベースとなるチャコールはかなり暗め。ブラックモデルと並べてみて見ないかぎりブラックですと言われたら気がつかないかも知れません。

タイヤのリム・チェーンガード・サドルのステッチに差し色としてブルーが使用され、こちらもギラギラとはせずマットな光沢に抑えられ上質な仕上がりでした。太陽光が当たったときに鈍く光る様がエロい。

新宿店のマット チャコール×ブルーはラス1を僕がいただいてしまいましたが、マット チャコール×グリーンのモデルもありこちらも森のような深い緑でかなり渋い仕上がりとなってますので気になる方はご覧になってみてください。その他トリコロールとか派手なモデルもありましたし、Flagsから近い東急ハンズにもハンズ限定色でタイヤまで白いマット ホワイト モデルがあったりします。僕が購入したマット チャコール×ブルーもそうですが、サイトには掲載されていないカラーが結構あるようですので、実際に取扱店に足を運んでみるのが一番だと思います。

走り心地なめらか、クロモリ

納車後のならし運転は新宿Flagsから成城までの約15〜16km。当日は夕方から雨の予報で、実際東京アメッシュを見てみると西から東に向かってどんどん雨雲が近づいている様子が分かりました。対し自分は東から西へ雨雲に向かっていく格好となり、新車をいきなり濡らしたくなかったので自宅までどちらが早く着くかという競争状態に。

そういうわけで寄り道などは考えずぶっ飛ばして帰るつもりだったのですが、休日は新宿近辺はもちろん自宅の方に至るまで人や車が多く、環七などの大通りは飛ばせても違法駐車の多い狭い道や歩道の上はのんびりとしか走ることができず、意図せず色んなコンディションで走り心地を確かめることができました。結局自宅まで1時間かけてしまいましたが玄関開けて2分で小雨という具合になんとか雨雲との競り合いも制することが出来てなかなか良いファースト・ライドでした。

ESCAPE R3とは装備が違いますし何よりかなり悪いコンディションになっていたので単純な比較はできませんが、納車後に初めてペダルを踏んだ一漕ぎがもの凄くなめらかでびっくりしました。走行感がツーっとアスファルトを滑るような感覚で、ESCAPE R3の「よっこらっしょ、ギコギコ」という滑り出しとくらべると雲泥の差。タイヤ・ギア・チェーンなどのメンテをしないと走行性能にモロに影響が出るものなのですねぇ、この辺の感覚はメンテ済みの車体と乗り比べてみないとなかなか実感できないところだと思うので勉強にもなりました、今後はこまめにメンテするぜ。

というわけで比較対象があまりにも悪いですしまだファースト・ライドを終えたばかりなので一概に言えないのですが、TOKYOBIKE SPORT 9s、自分にとってはかなり相性の良い自転車のようです。スポーツモデルなのに肝心の重量が公式サイトのスペック欄に記載がないので正確かどうか分かりませんが、重量は470フレームで10.2kg / 530フレームで10.5kgだそうです。ESCAPE R3が10.8kgだったことを考えると劇的に軽くなったわけではないですが、フレームやタイヤがより細いので、見た目としては数字以上にすっきりとした印象を覚えます。タイヤが650×23cというやや特殊な規格のもので、さすがTOKYOBIKEと言うだけあって信号で止まることや坂道の多い東京ではこのやや細く加速性能に優れたタイヤのメリットが大きいそうなのですが、未舗装の道路に弱かったりいざトラブった際に取扱っているサイクルショップが少ないかもというのが若干心配なところ。パンク程度なら全然問題ないと思いますが、チューブやタイヤごと交換という場合には取り寄せなどで時間がかかるかも知れませんね。

フレーム素材はクロムモリブデン鋼(通称「クロモリ」)と呼ばれる金属で、ESCAPE R3が採用していたポピュラーなアルミ合金と比べるとよりしなやかでフレーム自体がバネのように「しなる」ため路上からの細かな衝撃吸収性能に優れており長時間の走行でも疲れにくいという長所があると言います。また加工の自由度が高く寿命が長いためオーダーメードフレーム制作の素材としても人気があるとのこと。その代わり他の素材と比べて剛性が低い・表面が酸化しやすい(錆びやすい)という短所もありますが、細かなメンテを心がけるようにすればクリアできそうかと。僕の場合基本的に雨の日は走らないですし1階なので室内で管理することにしたので酸化の方はあまり気にしなくとも良さそうです。

というわけで急に楽しくなった自転車生活、週末に機会があれば鎌倉までのポタリングに挑戦したいところ。変速器がこれまでのグリップシフトからラピッドファイヤー式に変わってしまいギアチェンジに若干手間取るため要練習。とりあえずESCAPE R3よ、おつかれさん。