ネットをめぐる冒険

これだからインターネットはおもしろい。

25億画素デジタル写真とZoomify

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世界最大、25億画素のデジタル写真
オランダ応用科学研究機構(TNO)は16日(現地時間)、世界最大のデジタル写真が完成したとして、ウェブサイトに掲載した。デルフトの街並みを撮影した写真で、標準的な解像度(300dpi)で印刷すると、横は6.67メートル、縦は2.67メートルに達する。画素数は24億8722万画素(7万8797×3万1565ピクセル)で、データのサイズは7.5GBに達した。〈WIRED NEWS

ちょっと前に話題になってああ一度は見てみたいなとは思いましたが、データサイズが 7.5GB ではいくらブロードバンド時代とはいえまだまだ重すぎます。長い間待つのも億劫なのでそのときはあきらめました。で、今日暇があったのでまた同じサイトを訪れてみると、少し状況が違ってる。

前回は単純に画像への「直リンク」が用意されていただけでしたが、今回は「ああ!なるほど」と思わず手のひらを拳で打ってしまう納得っぷり。web creatorsで以前紹介されていたので頭の片隅には残っていたのですが、"Zoomify" が使われていました。

問題の超巨大写真はワイド端では左図のように表示されるのですが、写真下部のインターフェースにある▲印のスライダーをドラッグして右に移動させると、画像が拡大されていきます。拡大すると当然画像はいったん粗い表示となりますが、ドラッグを止めると、その時点での最適な解像度の画像がすぐに読み込まれるという仕組みになっています。また、これは直感的に分かると思いますが、画像自体をドラッグすれば拡大部分の移動になります。

テレ端になるとここまで寄れてしまいます。ナンバープレート読めますね...。ここまでくると画像の解像度にももちろん驚いてしまうのですが、とても7.5GBの画像を扱っているとは思えないスムースな操作感の方に気を取られます。「どっちもどんな技術だよっ」と嫉妬の混じった突っ込みを入れざるを得ませんね。Keyholeのときもさんざん騒ぎ立てましたが、どうやらオレは高解像度モノに弱いぞ。世のカワユイ女性のみなさま、オレを落とすなら高解像度で。

...で、先ほどから Zoomify と言っておりますが、このストリーミング画像は正確に言うと Zoomify, Inc. が開発した Zoomifyer EZ というソフトウェア上で生成されます。ご覧頂いた通り超高解像度の画像でも部分的にストリームすることによってサクサク見せてしまえるというグッジョブなソフトなのですが、それを作るのはいたって簡単。

まずソフトウェアアイコン上に画像ファイルをドラッグ&ドロップすると、細切れのJPEGファイルを自動生成してくれます。次にそのファイル群と、同梱のZoomify Viewer(swfファイル)およびZoomify Viewerを埋め込んだHTMLファイルをサイト上にアップロードする。ただ、それだけ。

しかもこの Zoomifyer EZ なのですが、なんと無料の上「ロイヤリティ・フリー」です。おうおう、なんて気前がいいんだ Zoomify。こちとら涙が出てくるじゃあねえかあ、大将よお。世の中まだまだ捨てたもんじゃあねえなあ!個人利用もさながら海外サイトでは企業も採用しているところが多く、このままいくとデファクト・スタンダード化するんでしょうか。便利だもの。正直すばらしいツールを頂けてサンキューなんですが、頼りすぎると自分の腕が磨けない危険性もありちょっと複雑です。