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世界のWi-Fiよ、団結せよ!

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FON

世の中どこもかしこもWi-Fi(ワイ-ファイ)。なのにその多くのWi-Fiネットワークはセキュリティのため閉鎖され、せっかくWi-Fi対応のモバイル機器を外に持ち出したとしても、無償で利用できるのは「ごく限られた」数のフリー・スポットで、大抵は公衆無線LANサービスなり自分の契約ISPなりで別途契約が必要。海外ローミングに至っては目ン玉が飛び出るほど高い。

セキュリティは大事です、しごく当然。でもさ、外でモバイルする時間なんてたかが知れてます。そのちょっとの時間の間、あなたのWi-Fiネットワークを貸してくれたっていいじゃない。みなさんは知ってますでしょうか?そのニーズと期待にこたえようと始まった、スペイン発Wi-Fi共有プロジェクト「FON(フォン)」。12月4日ついに日本でもサービス・ローンチしました。いまなら対応ルーターも無償で購入できます。

FONは簡単に言うと、Wi-Fiのローミング・コミュニティです。FONに参加すれば、FONユーザー同士で構築されたWi-Fi共有ネットワークへ自由にアクセスができます。ご想像のとおりFONユーザーが増えれば増えるほど、それに比例してネットワークの規模は大きくなります。それがもしも世界中を覆ってしまったら?その時のことを考えてみてください。僕たちはモバイルPCはもちろん他のWi-Fi対応機器で、世界中まさしくいつでもどこでも自分のもののようにWi-Fiネットワークを利用できてしまうわけです。Wi-Fiネットワークごとに異なる面倒な設定も、プロバイダのローミング料金を支払う必要も無くなります。

Nintendo DSやPSP、Wi-Fi Skypeフォン、そして将来登場するに違いないWi-Fi対応iPod。FONとの組み合わせはユビキタス・ネットワーク実現のための新しい切り口。海外旅行やちょっとした出張はNintendo DSとDS ブラウザーさえ持って行けばこと足りてしまうのかも。

FONユーザーは「Fonero(フォネロ)」と呼ばれ、参加方法によって3タイプに分かれます。まず自分のネットワークを他人に無償で開放する代わりに、自らも他人のネットワークを無償で利用できるのが「Linus(ライナス)」。一方、自分のネットワークを有償で提供し、他人のネットワークを有償で利用するのが「Bill(ビル)」。そして自分のネットワークは提供しないが有償でFONネットワークを利用できるのが「Alien(エイリアン)」です。いかにも海外らしいネーミング。このうちBillに関しては、日本ではまだサービス開始未定とのこと。

FONの利用開始には、FONへのユーザー登録以外に、FON専用ソフトウェアをインストールしたルーターが必要。FON Japanではサービス・ローンチ後の12月5日より本日までの5日間、その専用ルーター「La Fonera(ラ・フォネラ)」を無償販売しています。必要なものは送料・代引手数料945円の実費のみ。ちなみに通常価格でも1,980円という考えられないほど安いお値段ですが、「自分のWi-Fiを開放すること」というFONの活動に賛同できることが条件。

自分のWi-Fiを開放するというのは、セキュリティ面でどうしても心配がつきまといます。ただしFONネットワークを利用するにはユーザー認証が必要なため、不正な行為をしたユーザーはすぐに特定でき、またルーターの持ち主と他のユーザーの通信を分ける仕組みもソフトウェアに内蔵しているとのこと。その辺りの信憑性については他のユーザーの意見やレポートを踏まえ自分の目で見極める必要がありそうですね。もうひとつ問題なのはインフラのただ乗り。ISPからしてみればたまったもんじゃないというのは分かるのですが、 どうかユーザーの利益を最優先に解決への糸口を見つけていただきたいものです。言うのは簡単なんですがね...。

「世界のWi-Fiよ、団結せよ!」

そんな鼻息荒いスローガンとその壮大なコンセプトに感銘を受けて、僕も参加してみることにしました。もちろんLinusとして。ルーターの発送は12月14日から順次ということなので、詳しくはそれ以降にまたレポートしたいと思います。