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iPhone狂想曲 〈パッケージ・エクステリア〉篇

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前回〈購入〉篇と銘打って書き始めてしまったiPhone 3Gレビュー。もういいかな...と思いつつ〈購入〉篇だけで終わってしまうのもしのびないので第2弾。今回はiPhone 3Gのパッケージとエクステリアについて。

アップル史上最高のパッケージ

アップルの製品は製品そのものだけでなく、パッケージまでも例外なく美しくデザインされています。いままでいくつものアップル製品のパッケージを見てきたせいか、クオリティが高くてもアップル製品としてはそれが当たり前で、毎回感心はするものの多少のことでは驚かなくなりました。しかしiPhone 3GとiPod touchのパッケージは、別格。個人的にアップル史上最高のパッケージだと思います。もう、涙で前が見えない。(by おすぎ)

iPhone 3Gの端末価格は8GBモデルでも7万円弱と、けして安い製品ではありませんが、それでもそれ以上の価値を感じさせてしまう高級感。まるで宝飾品や高級腕時計のパッケージのようで、これまでに見た携帯電話のそれとは一線を画すものです。パッケージを覆うように丁寧に糊付けされた紙は光沢が抑えられしっとりとした質感をもっており、上品さを感じさせます。アップルロゴやiPhone 3Gロゴの印刷は贅沢にシルバーの箔押し。

上蓋に実寸サイズで丁寧に印刷されたiPhoneのフロントビュー写真は、フロントパネルを囲うクロームメタルのメッキ部分のみ光沢を伴うシルバーのインクが使われているほか、ほんのりと浮き出すように全体がエンボス加工されています。しかしいかにもアップルらしいと思ったのは、エンボス加工だけにとどまらず「ホーム」ボタンの部分に実際と同様のすり鉢状に凹んだ加工を施していたこと。

パッケージからまるで本体が飛び出そうとしているかのような錯覚さえ覚えるのですが、上蓋を開けた瞬間、その錯覚から醒める前にiPhoneは唐突にその姿を現します。

開封作業をもデザインするというこの繊細な気の配りよう。

実はシュリンクラップを破ること含めiPhoneの開封作業は、店舗にもよるかもしれませんがソフトバンクショップのスタッフにより行われます。こちらはそれを傍目に見ているだけなので、この一連の感動的な流れを真に味わえるのは同じようにパッケージングされているiPod touchの購入者かも。

iPhone本体を取りだすと、アップル製品ではおなじみの「Designed by Apple in California」のコピーが印刷された紙製のケースが目に入ってきますが、これにはFinger Tipsなどのマニュアル・但し書き類のほか、アップルステッカーとSIM取り出し用のクリップ、クリーニングクロスが含まれます。そしてそのさらに下にはイヤフォンやUSBケーブル、電源アダプタなどの付属品類がこじんまりと収められていました。

官能的なエクステリア

iPhone 3Gのエクステリアは一般的な携帯電話やスマートフォンに比べ、非常にシンプル。おおむね初代のデザインを引き継いでいますが、大きく変わったのはリアパネルですね。より安定した受信感度を確保するために素材が金属からプラスチックへ変更となり、より手に馴染みやすいよう丸みを帯びたデザインに変更になりました。最厚部は実は初代よりも3Gの方が若干厚いのですが、比較した人によればエッジ部分が薄くなっているためかむしろ薄くなったように感じられるそうです。

僕はiPod touchを使っていたのですが、それに比べるとひとまわり大きくなった程度の印象で、厚いとは感じませんでした。厚くなったと言っても12.3mmですから。。重さは最近の携帯電話に比べると若干重いかなという133gで、ドコモの社長は日本の携帯はもっと軽いと仰っていますが、そのドコモにもSH906i, F906i, SH906iTVのように同等かもっと重い携帯があります。そもそもiPhoneはスマートフォンであるという位置付けを考えれば充分軽いのだと思います。ただ、iPod touchを使っていた人は見た目があまり変わらないだけに初めてiPhoneを手にすると思ったよりも重量感があり驚くかも。一方、重量のバランスは良く重心が偏ったりしていないのでホールド性の高さを感じます。

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本体の質感は、リアパネルがプラスチックになったことで安っぽさが出てしまわないかという点が心配でしたが、実際に目にしてみるとその心配が杞憂であったことがわかりました。

何層も丁寧に塗り重ねられた上質さを感じさせる光沢で、ブラックモデルは「漆」・ホワイトモデルは「セラミック」の様な印象を抱きました。「しっとり」とした潤いを感じる質感で、光の映り込みが非常に美しいです。指紋がべたべたと付くのを嫌う方もいますし、僕も実際に見る前まではタッチパネルでただでさえ指紋が付きやすいのでリアはシボ加工にでもした方が良かったのでは...と思っていたのですが、これを見てしまうとこれが最上の選択だったかもねという気持ちになりました。

その他細かい部分の作り込みは抜かりなく、イヤフォンホールやカメラ周りの金属リング、スピーカー部分の金属メッシュなどがボディの良いアクセントになっています。ちなみにカメラ周りの金属リングはGPSのアンテナを兼ねているなど、さりげなく機能をデザインに昇華している点もさすが。

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官能的なほど美しいエクステリアを誇るiPhone。例えるならブラックモデルはハル・ベリー、ホワイトモデルはスカーレット・ヨハンソン。iPhoneをケースに入れるのは、いいオンナに雨合羽を着せるようなものだ。個人的にiPhoneはケースに入れず裸で扱うのがベストだと思う。他人はおろか自分さえもその姿を拝めなくなるなんてなんだか侘びしい。

iPhone 3Gのフロントパネルは初代・iPod touch同様に倍強度ガラスと思われ、簡単には傷がつかない素材が採用されています。保護フィルムは傷防止というよりも反射を低減させる視認性向上の目的で役立つかも知れません。プラスチックのリアパネルをはじめその他の部分は使っていくうちに傷がつくことは避けられませんが、道具ってそうやって味が出てくるものじゃない。

1日の終わりにクリーニングクロスで汚れを拭き取ることをしていますが、手に入れて間もないというのに、カメラと同じく手入れに手間がかかっても愛着があって手放せない道具が1つ増えた感じ。