気まま視聴覚室

人生は音楽だ。映画のような人生を。

ニュー・シネマ・パラダイス

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ニュー・シネマ・パラダイス

はじめて完全版を観ました。前に観た... と言ってもそれはもう何年も前のことで、その時はむせび泣くみたいな揺り動かされ方をされたものです。大事というか、自分にとってかなり大切な作品になったので、何回も観てしまうとその時感じた想いが薄れてしまうんでないか、感じられなくなってしまうんでないかという恐怖があって、逆にしばらく意識的に観なかった感じですね。

が、ここにきて特にきっかけなんてものは無かったのですが急にまた観たくなった。

「自分のすることを愛しなさい」

結果から言うとあの頃感じた想いとはやっぱり違う気がしますが、またしてもやられました。オレの貧困な語彙力では何を言おうとしても陳腐になってしまうので語りません。駅での旅立ちのシーンもしかり、何度もグッとくるシーンで満載ですが、ラストはどうにもこうにもこらえきれません。エンニオ・モリコーネの音楽もまた。

劇場版と完全版では、それを言えと言われると難しいのですが、伝えようとしているもののエッセンスに隔たりを感じました。どちらが優れているかで賛否がありますが、どちらもいいというのが正直なところ。劇場版の方がうまくまとまっているという気はしますが、完全版はストーリーにより深みを感じる。そこら辺のトルナトーレ監督の苦悩を考えるとなんだか泣けてくる。

5月に行ったタイでこんなこともあり、これもまたひとしお。