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ブラッド・ダイヤモンド

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ブラッド・ダイヤモンド

ディパーテッドにおいてはイマイチかな、と思ったレオナルド・ディカプリオでしたが、オスカーにノミネートされただけあり、なるほどなかなか良いです「ブラッド・ダイヤモンド」。4月7日サロンパス ルーブル丸の内他全国ロードショー。

1990年代後半のアフリカ、シエラレオネでの激しい内戦を描いた社会派アクション映画。"ブラッド・ダイヤモンド"というダイヤモンドの不正な取引をめぐって起きる不毛な争いをサスペンスフルに描く。元傭兵の密売人にレオナルド・ディカプリオ、やり手の女記者にジェニファー・コネリー、家族を愛する漁師役には実際にアフリカ出身のジャイモン・フンスーがふんし、緊迫感あふれる迫真の演技でみせる。地域紛争が激化する"ブラッド・ダイヤモンド"の現実問題に言及した内容について、米国務省が批判したことでも話題となった問題作。

世界最貧国の一つシエラレオネを舞台に、紛争ダイヤモンドとそれを取り巻く少年兵・奴隷・難民・女性や子どもに対する虐待という問題について、サスペンスフルに描いた作品。冒頭からかなりショッキングな映像に見舞われ、休日の娯楽気分で映画館に訪れた人々の間に一気に緊張の糸が張り巡らされる。

ストーリーはシンプルで見所満載、テーマ含め退屈な映画ではないと思う。ただし少しばかりうそぶかせてもらうなら、厳しい実情を伝える手段として戦闘を多用する表現は多少短絡的かもね。確かにそれは実際に行われていた(現在シエラレオネの内戦は終結している)行為であるし、そこに救いが必要であることを分からしめるには、有効で手短な手段かもしれない。しかし他のアプローチもあったら作品としてもっと深みが出たはずとか思ってしまうのです。

もっとも、この映画はドキュメンタリではなくあくまでドラマ。そういった意味から言うとディカプリオとジャイモン・フンスーの演技への奮闘ぶりはかなり伝わってきました。ディカプリオのオスカー・ノミネートがなぜ「ディパーテッド」ではなくて「ブラッド・ダイヤモンド」だったのかは明白なところです。

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