気まま視聴覚室

人生は音楽だ。映画のような人生を。

オール・ザ・キングスメン

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オール・ザ・キングス・メンオール・ザ・キングス・メン

実在の政治家ヒューイ・ロングをモデルとし、ピューリッツア賞を受賞したロバート・ペン・ウォーレンの小説「すべて王の民」。1949年ロバート・ロッセン監督×ブロドリック・クロフォード主演で制作された同名映画が、スティーヴン・ゼイリアン監督×ショーン・ペン主演でリメイクされました。オール・ザ・キングスメン

政治浄化の理想と信念を持ちながら、権力の座に着くやいなや自らも汚職と腐敗にまみれていくウィリーをショーン・ペンが怪演。熱心さが狂気へと変わってゆくさまを「目」ひとつをとってみても分かるほど表現しており、いまさらながら凄い役者だなと認識させられる。一方、ウィリーの傍らで彼の堕落を目の当たりにしていく新聞記者ジャックをジュード・ロウが淡々と演じる。ウィリーが動ならジャックが静、そして観客はジャックの目を通して物語を捉えていくのです。

観終わったあと帰路の最中もそうだったのですが、年に一度あるかないかというくらいの、たまらない不安感に襲われ今もそれを拭い切れていません。何かしら琴線に触れるものがあったということなのでしょうが、それが自分で良く分からず、とにかく嫌な感じ!