気まま視聴覚室

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マイアミ・バイス

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マイアミ・バイス

マイケル・マン監督が過去にTVシリーズの制作総指揮を務め、今回初めてメガホンを取った映画版「マイアミ・バイス」。と言ってもTVシリーズは観たことないし予備知識もゼロなので、新作を観るのと変わりありません。

現代の楽園として知られるフロリダ州マイアミには、国際的犯罪組織にとっての重大な密輸の中継地というもうひとつの顔があった。ある日、マイアミ警察の特捜課(バイス)の捜査官、ソニー・クロケットとリカルド・タブスの2人に南米の犯罪組織への潜入捜査の命が下る。それは、彼らから全てを奪いかねないあまりに危険なミッションだった−。闘う男たちの美学を描いては右に出る者がいない巨匠マイケル・マンが贈るクールでスタイリッシュなアクション巨編!

マイケル・マンと言えば「コラテラル」といい「ヒート」といい、硬質でワイルドで、独特の「間」が印象的な映像を撮る監督だなあと思っていましたが、今回も健在。映像がはまっているし音楽の使い方も巧いなと。

ただしストーリーに関してはお決まりっちゃあお決まりで、意表を突く展開もなく、正直そんなに面白いとは思いません...。ジェイミー・フォックスは相変わらず、ずるいくらいにカッコイイのですが、コリン・ファレルがどうも好きになれない。役作りだけとは思えない体重の増え方も疑問。TVシリーズがちょうどテレビ朝日のレギュラー放送に乗っているようなので、そちらも観てみたいなと思います。TVシリーズはあれですね、あぶ刑事のニオイがする。

ちなみにロケはマイアミ以外に、たまたま旅行の候補地と考えている南米大陸(ブラジル・パラグアイ・ウルグアイ)のほかキューバも使われていて、それには興味津々です。パラグアイでの撮影が中心だったようですが、映る街並みやその喧噪はマイケル・マンのレンズを通すと殺伐さが搔き立てられ、妙な緊張感。ちょっとしてやられたかな。

アルゼンチンのロケは無かった模様ですが、イグアスの滝の空撮なんかもあって、ますます惹きつけられた格好です。くそっ、時間をくれ。