気まま視聴覚室

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ダークナイト(The Dark Knight)

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The Dark Knight

クリストファー・ノーラン監督×クリスチャン・ベール主演によるバットマン新シリーズの第2弾、「ダークナイトThe Dark Knight)」。新百合ヶ丘 ワーナー・マイカル・シネマズでやっていた先行上映のレイトショーに行ってきました。

この映画、クリスチャン・ベールが主演していてクリストファー・ノーランが監督というだけでも観たいと思える作品ですが、その他にマイケル・ケインゲイリー・オールドマンモーガン・フリーマンが出ているという鼻血もののキャスティング。渋すぎるでしょ。

そして突然の急逝に驚かされた故ヒース・レジャーも登場。

先行上映ということで観た人の方が圧倒的に少ないはずですので、脚本には一切触れませんが、作品全体に全体的に広がる「暗さ」が最高にクールです。...クールって言葉は日本人の自分が使うにはなんだか気恥ずかしくてあまり使わないのですが、この映画にはその形容が似合う気がする。ヒーローものでは必ずストーリーの対比表現として主人公の闇の部分も描写されますが、この作品はそれだけじゃなくて全体的に暗い。ノーランの映像からくる影響も大きいのだと思いますが、スクリーンから漂ってくる凜とした冷たい空気感が好き。

グラフィック面でのアプローチも、最高にクール(2回目)なんだよなぁ。

The Dark Knight

クリスチャン・ベールはアイドル的でない職業人としての俳優で、出演する作品へのこだわりがあり真面目というイメージがあり、好きな俳優の一人。最近どうでもよいゴシップ・ネタで騒がれましたが、相変わらずかっこいい。もの悲しそうな表情といい、影のある役がはまりますな。

今回バットマンが対峙する敵が「ジョーカー」で、演じたのは前述したヒース・レジャーだったわけですが、正直この俳優のことはあまり知りませんでした。ブロークバック・マウンテンでゲイ役やってたねっていう事前情報しかなくブロークバック〜も含め、たぶん出演作を観たことは無いのですが、少なくともジョーカー役の演技は凄い。完全に狂人になりきっていてホラーものでもないのに恐怖さえ感じました。ティム・バートン版のバットマンでジョーカーを演じたジャック・ニコルソンの演技も凄まじいものがありましたが、ちゃんとヒース・レジャーのジョーカーになってました。ヒースのほうがスタイリッシュな感じ。

残念なのは、IMAXシアター用に劇映画としては史上初めてIMAX専用のカメラで撮影されているにもかかわらず、東京にはIMAXシアターが無くその恩恵に預かれなくなってしまったこと。せっかくなら巨大なスクリーンで観たいと思いますが、都内だとどこが一番大きいのだろう。やっぱり品川プリンスシネマの「シアターZERO」になるのでしょうか。現在のところシアターZEROでの公開は崖の上のポニョになっていますが、来週になってダークナイトに変わるようであれば足を運びたい。

アメリカではダークナイトの3日間の興行収入がこれまで最高だったスパイダーマン3の1億5110万ドルを抜いて1億5530万ドルに達したというフィーバーぶりなのですが、ヒットはするだろうけど特大のヒットになるとは思っていなかったので正直意外。子供が観て楽しい映画かな...これ。ジョーカーはトラウマになりそうだしカタルシス的な爽快感を期待する作品でもないし。

バットマン ビギンズの時はクリストファー・ノーラン×クリスチャン・ベールという組み合わせでウキウキしながら観に行ったものの、個人的にはそれほどピンと来なかった新シリーズ。でもこのダークナイトで見事にはまってしまったかも。第3作も引き続きノーラン監督で、敵方のリドラーのキャスティングにジョニー・デップの名前が挙がっているという興味をひく噂も立っており、実現すれば非常に楽しみです。スピンアウト作品であるキャット・ウーマンをアンジェリーナ・ジョリーが演じるという話も聞きましたが、これも本当?エロすぎる。