気まま視聴覚室

人生は音楽だ。映画のような人生を。

LUCKY NUMBER SLEVIN

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LUCKY NUMBER SLEVINTHE USUAL SUSPECTS

ポール・マクギガン監督のLUCKY NUMBER SLEVIN観てまいりました。ジョシュ・ハートネット主演、脇を固めるのはルーシー・リュー、ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、サー・ベン・キングズレーとなかなか豪華。

空港のロビーで、青年の前に現れた謎の車椅子の男。男は、20年前の幸運のナンバーにまつわる残酷な物語を語り始める。一方、NYのアパートではスレヴンとリンジーが偶然の出会いを果たす。不運続きのスレヴンは、友人を頼ってNYに来たのだという。ところが友人は姿を消し、スレヴンは敵対するギャング、"ボス"と"ラビ"の争いに巻き込まれる。そしてその影には、あの空港の男−凄腕の暗殺者グッドキャットがいるのだった...。

予備知識無く映画館に足を運んだのですが、思いがけずオモシロカッタ。主軸となるストーリーに、別の場所・時間で起こった事件が絡み合い、ストーリーが展開していくタイプのクライム・サスペンスです。ストーリーの性質上あまり多くを語れませんが、訳が分からず複雑に絡み合った紐が、最後にスルスルと解けていく様は、なかなかの爽快感です。脚本は10年近くもの時間をかけて丹念にリライトを重ねたものだそうですが、確かに良くできている。

今回はいわゆる謎解きの部分が明かされるまで、自身で気がつかなかったというのもありますが、ユージュアル・サスペクツにも通ずるヤラレタ感を味わいました。

謎解きの部分はこうしたクライム・サスペンスものの映画にしては珍しく、実に丁寧に描かれているので、苦手な人も結局何が何だか分からず終いという結果にはならないと思います。観終わってみると、様々なシーンにキーとなるモノやセリフがちりばめられていたことが分かりニンマリします。巻き込まれ型サスペンスの金字塔とも言えるヒッチコック「北北西に進路を取れ」を引き合いに出すなど、セリフ回しがなかなか気が利いてる。DVDが出たら、もう一度鑑賞して宝探し的な楽しみ方が出来そうかなっちゅー感じです。

ブルース・ウィリスのピッチリ横分け暗殺者はなかなか渋くてカッコイイ。そしてルーシー・リューがあんなにチャーミングな演技をするとは知らず意外でした。かあいい。