気まま視聴覚室

人生は音楽だ。映画のような人生を。

レミーのおいしいレストラン

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レミーのおいしいレストラン

昨年もここにエントリーした以外にも映画はいろいろと観ましたが、個人的に最も印象に残っているのがこの「レミーのおいしいレストラン」。これはやっぱり面白いよ。

天才的な料理の才能を持ち、いつか一流レストランのシェフになるという叶わぬ夢を持つドブネズミのレミー。ある日、彼は嵐で家族とはぐれてしまい、パリのとある一軒のレストランに辿り着く。なんとそこは、レミーが尊敬する今は亡き名シェフ、グストーの店だった。一方その厨房内では、見習いシェフのリングイニがスープを台無しにする失態を演じてしまう。すると、レミーはこっそりとそのスープを作り直し、最高の味に仕上げるのだった。それを目撃していたリングイニは、自分に料理の才能がないことからレミーの力を借りることを提案。こうして彼らは秘かにコンビを組み、パリ一番のシェフを目指すことになるのだが...。
レミーのおいしいレストランモンスターズ・インク

全て観たわけではないのですが、ディスニー×ピクサーものではこれまで「モンスターズ・インク」が一番のお気に入り。しかしこの作品を観てその順位が入れ替わりました。観てからしばらく経っているのですが今のところぶっちぎりの1位という印象は不動ですね。

映像のクオリティは言わずもがなですが素晴らしい。モンスターズ・インクを初めて観たときにも驚いたものでしたが、レミーを観てしまうとその差は歴然。生き物のぬくもりさえ感じさせる緻密な表現や動きには感動させられます。単にリアルさを追求したというのではなく、あくまでもキャラクターや舞台に命を吹き込むための努力という気がして非常に好印象でした。とにかくレミーはじめキャラクターたちの表情がなんと豊かなことか。ファンタジックな音楽との相乗効果もお見事です。

ストーリーも人に安心しておすすめ出来る内容かなと。悪役が懲らしめられて、主人公やそのまわりの登場人物(人物じゃないこともありますが)がハッピーになる、という分かりきった大前提がまず安心。悪く言えば予定調和的なのだけれど、実写と違いファンタジーだし「ディズニーですから」という前置きがあるので気持ちが醒めることなく、あーそうだよね、それでいいんだよね、レミー良かったね...なんて今年30を迎えるお兄さんも純粋に楽しむことが出来ました。

主人公はもちろんねずみのレミーですが、もう一人の主人公は見習い料理人のリングイニ。このリングイニは料理に対して特別愛情があるような設定ではなく、最後まで成長したのかそうでないのか良く分からないところはある意味ディズニー的でない気もしますが、レミーとの名コンビぶりは見ていて痛快。

いろいろと話したいシーンはあるもののここでそれを言うのは野暮なので、まだ観ていない方はどうぞ。

ちなみにこの「レミーのおいしいレストラン」は先日発表された第80回アカデミー賞に、長編アニメ賞はじめ5部門でノミネート。注目度も高まっているようですね。