気まま視聴覚室

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さよなら、さよならハリウッド

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さよなら、さよならハリウッド

今年はステキな映画が多い。いつにもましてそんな気にさせてくれたのは、ウディ・アレン 監督・脚本・主演 の「さよなら、さよならハリウッド」。公開初日の今日、さっそく観に行ったぞ。

アレン演じるヴァルは、2度もアカデミー賞を獲っていながら今は落ちぶれてしまった映画監督。そんな彼にハリウッド超大作の仕事が舞いこむ。訪れた一発逆転のチャンス!しかしヴァルは極度のストレスから突然目が見えなくなってしまう。なんとかごまかしながら撮影を続けるが・・はてさて、映画は無事完成するのか?!
恵比寿ガーデンシネマ - 上映作品 より抜粋)

ストーリーについては何も言いますまい。まだ観ていない人にたっぷりと堪能していただきたいから。ただ言えるのは、さいこーってこと。

映画館が金色に染まる。機知に富んだユーモアやジョークは、きっと万国・老若男女共通であろう可笑しさにあふれていて、思わず "プッ" と吹き出してしまう、顔がほころんでしまう楽しさ。予感させる面白さと予期せぬ面白さのバランスが絶妙なんです。そう、この映画の前ではみんな無防備で、そして無邪気に笑ってしまう。それでいて時折観せるペーソスにはキュンとさせられて。

ラスト、いや "オチ" でどっと湧き上がる笑いにはくやしいけどやられました。底抜けに面白いだけでなく、シニカルな意味合いもふくまれていて、まさに名人芸としか言いようがありません。

登場する俳優たちはみんな個性的、そして映像・音楽もほんとすばらしい。そして嬉しいのは字幕の日本語訳を、英語で言わんとしていることを(おそらく正確に)茶目っ気たっぷりに表現してくれていること。タイトル含め愛情こめて翻訳してくれたんだな、とちょっぴり感謝です。

もう一度観に行きたい。そしてDVDが出たらぜひとも欲しい1枚。

「さよなら、さよならハリウッド」は、東京は恵比寿ガーデンシネマにて公開中。ちなみに、公開中「ウディ・アレンの似顔絵を描こう!」というキャンペーンを実施中。優秀な作品は恵比寿ガーデンシネマに展示されるだけでなく、その後ウディ・アレン本人に届けられるそうです。なんともニクイ企画だなあ。