Cloverfield
新百合ヶ丘のワーナー・マイカル・シネマズでクローバーフィールドを観てきました。バカみたいな感想ですが、超面白かったです。期待はしていたけど期待通りだったので嬉しい。
クローバーフィールドは、米ドラマ「LOST」の脚本家で「M:i:III」で映画監督デビューを果たしたJ・J・エイブラムスによる異色作。NYに突然起こった未曾有の大惨事(コード名 “クローバーフィールド” 事件)を、その渦中に放り込まれたが故に全体像はおろか理由も知らされず、ただ逃げまどうことを余儀なくされてしまった一般市民の目で追うというスタイル。
映画館で初めてトレーラーを観たときに、例の自由の女神の顔がぶっ飛んでくる映像に度肝抜かれてしまい、これは観なければ!とかなり前から楽しみにしていた映画。個人的にはバイラル等の情報は極力シャットアウトして、公開までの事前情報はほぼトレーラーのみという状態で観ました。
「全編手持ちカメラによる映像」「実験的」というキーワードからなんとなくブレア・ウィッチ・プロジェクトが頭の中に浮かんだのですが、あちらは残念ながら僕の好みではなく同じ思いはしたくないな。。と気がかりだったのですが、その心配は不要でしたねぇ。しっかり制作費を注ぎ込んで、ただ演出がトリッキーであるということだけに終始していなかったので安心しました。
ストーリーははっきり言ってたいしたことないですし、なぜモンスターが現れたのか、なにが目的なのか、そして結末がどうなったかなども一切語られることがありません。その上「アレ」の造形もハリウッド過ぎて間違っても好きになれない。謎に始まり謎に終わるという変な脚本なので、インパクト重視の計算された映像や抜群の音響、そしてこのアトラクション的と言うか体感型の超独特な臨場感にのめり込むことが出来ないと本当につまらないかも。逆に、のめり込むことが出来れば時間はあっという間に過ぎます。オーモロー!
インターネットで公開されているバイラルコンテンツ
クローバーフィールドは公開前の作品の宣伝は大きくされていませんでしたが、インターネット上には細かいバイラルコンテンツが散りばめられていた模様。(ここから先はネタバレ的要素を含みますので観る前に知りたくないという人は見ないように。)
まず、クローバーフィールドというタイトルさえ明かされていなかった以前に、謎のプロジェクトという名目で公開されていたのがwww.1-18-08.com。“1-18-08”は米国での映画公開日2008年1月18日にちなんでいると思われますが、一時はこれがそのまま映画のタイトルになるのではと目されていたそうです。ストーリーに関連すると思われる複数のスナップ写真のみが置かれているサイトなのですが、劇中にも登場しない画があり興味をそそられます。
また、MySpace.comには登場人物たちのアカウントがいくつも作成されていました。
- Rob Hawkins - MySpace.com
- Jason "J.J." Hawkins - MySpace.com
- Marlena Diamond - MySpace.com
- Beth McIntyre - MySpace.com
- Hudson Platt - MySpace.com
- Lily Ford - MySpace.com
- Jamie Lascano - MySpace.com
副社長に昇進し日本への転勤が決まっていたRobのブログによれば、Robの会社というのがSLUSHO(スラショー)というアジアで人気の清涼飲料の製造メーカーのよう。そしてリンクにある通りこのSLUSHOの製品サイトが存在しており、ドリンクのCMもYouTubeに。
そして、海上のある石油掘削現場で起こった事件を伝えるニュースというのが右。タグルアトという日本企業に関わるものなのですが、ニュースの中でこのタグルアトこそがSLUSHOの製造メーカーで、かつ石油掘削事業は副事業である点や経営実態が謎に包まれている点が明かされます。代表取締役の吉田ガヌ氏も謎の人物。。
この石油掘削現場の事件が本編のモンスターに関係しているのかそうでないのかまったく不明ですが、ここまで緻密で謎に満ちた伏線を張られてしまうと、普通に考えると続編があってもおかしくないですねえ。それともまだ見つかっていない(あるいは今後リリースされる)このようなバイラルコンテンツの情報を紡いでいくと、真実が浮かび上がる仕組みになっているのでしょうか...。
これらの情報は全て映画を観終わってから初めて見たのですが、映画を観た後にもこれだけ楽しめるとは...本当に面白いことを考えるものです。これはマーケティングの妙に助けられた部分もありますね。とりあえず、DVDが出たら久しぶりに買いたいなという作品です(特典映像が楽しみ)。ホームビデオによる撮影というコンセプトなので、自宅で見たらよりリアルに感じるかもしれません。